高齢者・障害者総合支援センター(あいゆう)について 

 高齢者・障害者総合支援センター(あいゆう)事務局長 宇都宮英人

 一、福岡県弁護士会は、高齢者・障害者の相談・権利擁護のための組織として、昨年四月、高齢者・障害者総合支援センター(愛称あいゆう)を発足させました。

 これは、本格的な高齢社会が到来し福祉制度が措置から契約へと転換していくなかで、弁護士の法的アドバイスや支援が必要な場合が今後増えていくことを予測して、その拠点を作ろうとしたものです。

 直接的には介護保険や成年後見制度の施行が端緒となっていますが、今後展開される社会福祉基礎構造改革をも見据えたものです。  二、センターの主たる業務は・法律相談、財産管理等支援・任意後見、介護・福祉支援、研修・講師派遣です。

 担当する弁護士は一定の研修を経た登録弁護士で、取り扱う範囲は、高齢者・障害者の権利擁護に関わる全ての問題です。

 権利擁護という場合、現実に生じている権利侵害を排除して権利を回復させたり、将来の権利侵害を予防し保全を図ったり、未だ行使されていない権利を現実に行使して実現させるという各側面がありますが、これらを全て含んでいます。

 また、財産管理に留まらない生活領域で生じる各種の問題をも含んでいます。

三、法律相談は、相談者が支援センターに赴く「来館相談」、登録弁護士の事務所に赴く「来所相談」、弁護士が相談者の生活場所に赴く「出張相談」の三本立てになっています。出張相談は、一人で動けない人や介護の事情等で相談場所に赴けない高齢者・障害者のために用意されたものです。原則として、有料となっています。相談料は、六十分以内は一万円で、三十分以内に終了すれば五千円ということになります。出張相談の場合は、これに交通費(実費)が必要になります。但し、来館相談と出張相談については、生活保護や非課税世帯の方は免除しています。また、来館相談、来所相談について、資力が十分でない方については、法律扶助利用の方法もあります。

 昨年四月から十二月まで約九カ月が経過していますが、福岡地区の相談件数とその内容、相談対象者、相談者及びその生活状況は、別表1ないし5 のとおりです。

四、センターでは法律相談事業を強化するため、福岡地区の登録弁護士約五十名の参加のもとに相談担当者のための法律相談を「福祉の当番弁護士」と称して開始しました。

 これは、高齢者や障害者の相談が自らの生活場所に近いところで行われていることを踏まえ、相談担当者に法的アドバイスが必要な場合、弁護士が積極的に関わることで相談の実をあげようとするものです。

 弁護士の直接的関与が必要な場合、それを知る端緒にもなります。

 利用者の権利擁護という観点からみた場合、福祉施設や福祉団体、行政、地域の相談担当者と連携して問題を解決していくということになります。

 具体的には、相談担当者からセンターに電話やファックスにて申し込んでいただければ、原則として二十四時間以内に当番弁護士が電話にて相談を実施するというものです。相談料は無料です。

  昨年九月十八日に開始しましたが、十二月三十一日迄の相談件数は四十七件で、その内容は別表6のとおりです。また、相談担当者の方の内訳は別表7のとおりです。

五、昨年四月から成年後見制度が施行され、この中で新たに創設された「任意後見」は、本人の自己決定権の尊重に基礎を置いています。センターでは、判断能力の低下によって財産管理や生活支援を開始する任意後見と、身体機能の低下による財産管理や生活支援を含む財産管理等支援の二本立てとし、斡旋事業と呼んでいます。

  料金は、委任契約時の調査手数料が二十万円以下、業務開始後の手数料が月一万円から五万円までとなっています。業務開始までに見守りのための契約を結んだ場合は、月三千円から一万円の見守り期間手数料をいただくことになります。

 また、法定後見が必要な場合は、紹介事業とし、手数料として十万円〜三十万円を基準としています。

 この場合、資力が十分でない方については、法定後見の申立て( 鑑定費用を含む) に法津扶助の適用があります。

  なお、契約に至ったものは八件です。

六、介護・福祉については、法律相談に留まり、現在のところ事件として受任したものはありません。しかし、今後虐待の問題等を含め事件として取り上げるものがあれば、受任していくことになります。

 これらの紹介事業の料金は弁護の報酬規定によります。

 いずれにしましても、法律相談から開始しますので、まず法律相談をお申し込み下さい。

七、センターでは、高齢者・障害者の権利擁護に関わる法律問題についての研修に協力するための講師派遣を積極的に進めています。

 派遣先は、自治体や福祉団体、福祉施設など様々で、昨年十二月三十一日迄の八カ月間に二十七回の講師派遣を行っています。また、今後も相当数を予定しています。

 相談担当者のための法律相談とあわせ、福祉関係者の方々との交流を深める場として今後ぜひご利用いただきたいと思います。

八、センターの設立から福祉の当番弁護士の開始を経て、社会福祉の問題の重要性をより一層認識し
つつあります。

 また、これにかかわる関係者の方々の真摯な情熱に教えられることの多い日々です。

 センターとしてもこれから研鑽を重ねまた力を蓄えて皆さんの利用しやすい権利擁護の拠点となるよう努力をしていきたいと思います。忌憚のないご意見を頂ければ幸いです。

あいゆう 〒810-0004 福岡市中央区渡辺通五-二十三-八サンライトビル三階 天神法律相談センター内пEファックス092-724-7709